大会長挨拶

日本スポーツ栄養学会第10回大会
大会長 香川 雅春
女子栄養大学 栄養科学研究所

 この度、「日本スポーツ栄養学会第10回大会」を2024年9月21日(土)・22日(日)の2日間にわたり、埼玉県坂戸市にある女子栄養大学坂戸キャンパスにて開催させていただくこととなりました。本学での開催は、本学会が2013年に東京都から「特定非営利活動法人 日本スポーツ栄養学会」として認証を得る前に、前身である「日本スポーツ栄養研究会」として第1回全国会議が開催された2005年以来となります。第10回目という節目の大会を再び本学で開催する機会を与えてくださった本学会の皆様に、深く感謝申し上げます。

 特定非営利活動法人日本スポーツ栄養学会は、一般市民に向けてスポーツ栄養学に関する情報提供を行うと共に、スポーツ栄養学領域における研究促進と情報交換、またスポーツ栄養学に関する高い専門性を有する人材育成を通じて、スポーツ栄養学の進歩・普及や選手の競技力向上、そして国民の健康増進とスポーツの発展に寄与することを目的としている学会です。会員には栄養士・管理栄養士のほか、理学療法士やトレーナーなどスポーツ栄養学や運動生理学、スポーツ科学全般に興味を持ち、臨床の現場や教育研究機関で研究を行われている方が多く、また大学院生など若い会員が多く所属しております。現在会員数は2,000名を超え、学術大会では毎回熱気と活気あふれる討議が行われております。

 第10回大会の会場となる女子栄養大学は、脚気の治療法と予防対策を探求する研究を基盤として90年前に創設され、研究成果を実践するため、創設者の一人である香川綾は日常生活を評価するアセスメントツールとして計量カップや計量スプーン、四群点数法を開発いたしました。時代と共に人々の健康課題は多様化し、理解が求められるアセスメント法も多岐にわたるようになりました。運動やスポーツを行う対象者に対しても、食事調査や体力測定、体組成測定などの様々なアセスメントは健康状態や生活習慣、そしてパフォーマンスを客観的に評価するうえで欠かすことができません。そしてスポーツ競技種目とその競技者も時代と共に多様化し、競技者をサポートするスタッフはアセスメントを適切に実施・解釈して対象者に伝えることがより求められるようになりました。そこで、第10回大会のテーマを「アセスメントと実践」といたしました。パリオリンピック・パラリンピックが開催されるこのオリンピックイヤーに、本大会が多様な競技種目や対象者、場所に対する様々なアセスメントの手法や最新の知識について学び、学術的交流を持てる機会となればと願っております。人々の健康やパフォーマンスに関心をお持ちの皆様におかれましては、ぜひ大会へのご参加や演題発表についてご検討いただけることを祈念しております。

 ご参加いただける皆様が満足できるような充実したプログラムと美味しい食事でお迎えできるよう、関係者一同第10回大会の準備に鋭意取り組んでおります。多くの皆様のご参加と演題発表を心よりお待ちしております。